- 代表取締役:
- 小倉 稔
- 本店住所:
- 〒507-0038
岐阜県多治見市白山町4の36番地
- 電話番号:
- 0572-22-2518
- FAX番号:
- 0572-22-2524
今回訪問させていただいたのは、岐阜県多治見市の「株式会社 OGURA」さん。岐阜県から愛知県にかけて9店舗展開をされており、今回うかがったひと月前にも関市を宅配エリアとする関店をオープンしたばかりで、広域のエリアを積極的に経営されている宅配店だ。
多治見市と言えば、盆地に位置するため全国的にも「日本一暑い町」としても有名だが、多治見駅に降り立つと歩道にはミストが散布され、温度計は37度を超えておりこの日も日本で一番暑かったようだ。
それだけではなく、多治見市は美濃焼でも全国的に知られる窯業の盛んな地域。しかし、昨今そうした昔ながらの産業も時代の流れとともに一時のような勢いはなくなったものの、名古屋から電車で30分という地の利もあり、市でも「人が元気!町が元気!多治見」というスローガンを掲げ、企業の誘致や住民サービスも充実した活気のある街は現在も変わらないようだ。
本店を構える多治見店は国道19号線に面し、広い駐車場と大型の倉庫を構える。この日インタビューに応じていただいたのは小倉稔社長。スマートな印象ながら時折見せる真剣なまなざしは、牛乳配達のたたき上げの迫力を感じる。聞けば、お父様である現会長が創業したこの宅配の仕事を小学5年生の時から手伝っているという。
「まだ当時は舗装された道もなくて、子どもの体には自転車に積まれた牛乳のバランスが取れず、ひっくり返してはビンを割ってしまいよく父親に叱られましたよ」とその当時のエピソードをお話しいただいた。
では、もともと乳業に関するお仕事をされていたのでしょうか、と創業の経緯をお聞きすると「祖父の代は大工でしたが、父の代になり、あるきっかけで知人の紹介から牛乳を卸す仕事をはじめ、それが昭和30年ですから、もう60年以上この仕事をしていることになりますね」
創業当時は、個人宅への牛乳宅配より量販といわれる乳製品の卸しを行う事業が中心だったようで喫茶店をはじめ、企業の事業所や「名鉄」や「主婦の店」など地元のスーパー、小売店ととにかく営業をすればどんどん開拓できる時代でもあったという。しかし、物流方法の変化など外部環境が変わるにあわせてそうした量販事業から宅配の事業へとシフトしていったという。
OGURAさんの会社理念には“働きやすい企業風土”“会社の成長と個人の成長”“事業利益”など内部に向けたメッセージが目立つようですが、と尋ねると「お客さまに100%の満足を感じてもらうためには、スタッフが仕事やお店に対して満足してもらいたい、自覚を持ってもらいたいんです」それがなければ、いくらお客さまにこう接しようとか、こんなことをして喜んでもらおうなどということはできないという。
ではお客さまに満足を感じてもらうために、例えばどのようなことを?
「ご存知のように多治見は暑いでしょ、うちではお客さまの宅配ボックスに保冷剤を6枚入れるんですよ」
ちょっと見ますか、とオフィスに隣接した大型の冷蔵庫が並ぶバックヤードを案内していただいた。明治の宅配店では夏場に保冷材を3枚程度入れるのが一般的であることからすると、相当な念の入れようだ。
そこで見せていただいたものは、保冷材の他に玄関先に置かれた宅配ボックスがコンクリートなどの反射熱を受けない台座や、さらに直射日光の熱を防ぐカバーなどであった。
もちろんこれらはメーカーの明治から提供されるものではなく、社長が独自に探してお客さまに提供しているものだという。
「私たちがお客さまに届ける『健康・安心』とは、こういう取り組みなんですよ」